ごあいさつ
世界をリードする
教育・研究拠点を目指して
大阪府立大学工学研究科長
綿野 哲
2020年春、新型コロナウイルスによる未曽有の危機が世界を襲いました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、経済のみならず教育や人々の日常生活も深刻な打撃を受けました。
「ポストコロナ」の世界では、社会・経済・教育の構造が大きく変化することが予想されます。
今後、DX(デジタルトランスフォーメーション)、すなわち、データとデジタル技術を活用してリモート社会に柔軟に対応することはもちろんのこと、ウイルス感染症のパンデミック下においても、教育・研究の水準を担保し、人々が安心して暮らせる社会を作り出すことは、工学の大きな課題となります。
医学や薬学と連携し、ウイルスの検知や感染防止を図る技術を開発することはもちろんのこと、抗ウイルス材料の開発、デジタル技術を活用した通信やコミュニケーション技術の開発、感染リスクを回避する遠隔ロボットの活用、リモート社会に対応したインフラの整備なども工学の重要な役割です。
また、環境破壊、地球温暖化、資源枯渇、人口急増と食糧不足など、地球規模の深刻な課題も依然として未解決のままです。
これからの工学は、新たな原理や技術を創造することはもちろんのこと、地球と人類の調和を目指し、持続可能な社会の実現に貢献しなければなりません。
工学研究科は6専攻10分野から構成され、200名を越える教員・スタッフと約900名の大学院生が幅広い分野で横断的な最先端の研究を展開しています。
また、充実した多様な教育プログラムと最先端の研究を通して、高度な専門能力を有し、豊かな人間性と高い倫理観を持ち合わせ、持続可能な社会の発展と文化の創造に貢献できる技術者、研究者を育成しています。
また、科学技術(Technology)と新しい価値を創造する(Innovation)を組み合わせた「TECHNOVATION」を標榜し、本学が目指す「高度研究型大学~世界に羽ばたく地域の信頼拠点~」の中心的存在として、産学官連携を促進し、科学技術の発展に貢献していきます。